執筆・文責:弁理士 中村幸雄(登録番号 第12870号)

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この記事の結論

発明発掘セッションは、明細書を作る前に技術の経緯、解決したい課題、他との違いを対話で確認する場です。まとまっていない構想から、守るべき発明のポイントと出願方針を言語化することを目的とします。

「書類を出す前に、話す場」として設計されています

弁理士に依頼するとき、多くの方は「ある程度内容が固まったら相談に行く」と考えています。明細書を作る段階になってから、専門家に渡す。そのイメージが強いかもしれません。

発明発掘セッションは、その一段前に置いたサービスです。

「何を守るべきか」「どこが差別化になりうるか」が自分では見えにくい段階で、対話を通じてそれを言語化することが目的です。書類の作成は行いません。出願の判断を迫ることもしません。言語化した内容を一緒に確認し、次に何をすべきかを明確にする場です。

範囲をはっきりさせるため、このセッションで行わないことも先に示しておきます。

特許性の評価と先行技術調査は、発明の詳細な確認を経て、必要に応じて別途行います。

なぜ発明発掘に「対話」が必要なのか

技術の本質は、資料の中に書いてあることより、話しながら出てくることの方が多いです。

「なぜその方法にしたのですか」「従来はどうやっていましたか」「その工夫をする前は何が困っていましたか」——こうした問いかけに答えていくなかで、本人が「当たり前」だと思っていた選択が、実は他社がやっていない工夫だったことが見えてくることがあります。

逆に、自分で書いた技術説明書をそのまま渡されても、何が本質なのかは分かりにくいものです。発明の本質は、スペックの羅列の中にではなく、課題をどう捉えてどんな選択をしたか、という経緯の中に表れることが多いからです。

だからセッション形式にしています。

申込後からセッション後までの流れ

申込後からセッション後までの流れ
ステップタイミングやること準備するもの
1. 事前申込後ヒアリングシートの記入(技術テーマ・解決したい課題・工夫の概要)完璧でなくてよい
2. 当日・前半約30分技術背景、課題、解決手段、既存技術との違いのヒアリング資料は必須ではない。写真・手書きメモ・口頭説明で可
3. 当日・後半約30分発明の本質と差別化ポイントの明確化、出願方針の検討—
4. セッション後後日発明の本質に関する提案書の共有、次のステップの提案—

当日は、オンライン(Zoom等)・対面のどちらにも対応しています。

1の「ヒアリングシート」は、お申し込み後にこちらからお送りするものです。これとは別に、お問い合わせの前にご自身で技術テーマや課題を書き出しておきたい場合は、相談準備ナビも利用できます。

前半(約30分)は、技術の背景を聞くところから始まります。解決しようとしている課題、試みてきた工夫の経緯、今の形にたどり着いた理由。資料は必須ではありません。むしろ、整った資料より、現場の空気感に近い話の方が、対話の糸口になることがあります。「なぜかこの方法だとうまくいく」「毎回ここで詰まる」「現場では誰もがこれを嫌がっている」——そういった、泥臭くて言語化しにくい体感こそが、発明の手がかりになることがあるからです。写真でも、手書きのメモでも、うまく説明できない感覚でも、そのまま持ち込んでください。

後半(約30分)は、前半で出てきた内容をもとに、発明のポイントを見極めます。「ここが差別化になりそうです」「この部分を権利の中心に置くと、どういう範囲が狙えるか」といった観点を共有しながら、出願に向けた方針を一緒に考えます。

当日中に結論が出なくても構いません 当日の結論として出るのは、「出願できる」か「できない」かの二択ではありません。「この観点から検討すると、こういう可能性がある」という見通しです。当日中に方針が固まらない場合も、セッション後に技術の特徴と解決する課題を検討し、発明の本質に関する提案書としてまとめてお渡しします。

セッション後に手元に残るもの

セッションで言語化した内容は、後日「発明の本質に関する提案書」としてお渡しします。当日中に判断できなかった点についても、検討結果を記載します。出願に進む際の素材になりますし、社内での議論に使っていただくこともできます。

出願に進む場合は、セッション費用(30,000円)は出願費用に充当されます。セッション単独で終わる場合も、言語化した内容はそのままお持ち帰りいただけます。

こんな方に、特に向いています

すでに出願内容が明確で、「明細書だけお願いしたい」という方には向きません。その場合は、まず初回無料相談でご確認ください。

よくある質問

Q資料がなくても参加できますか?

はい、資料がなくても始められます。口頭説明や手書きのメモ、試作品の写真などでも問題ありません。大切なのは、現時点で何に取り組んでいるかを話していただくことです。

Qセッションを受けたら、必ず出願しなければなりませんか。セッション費用はどうなりますか?

出願するかどうかは、セッション後にご判断いただけます。その場で決断を迫ることはありません。費用は、セッション単独の場合30,000円です。特許出願に進む場合、セッション費用は出願手数料に充当されます。

Qセッションで特許性の判断はしてもらえますか?

セッションの目的は特許性を即断することではなく、発明の本質を明確にすることです。特許性の評価には発明の詳細な確認と必要な調査が伴うため、セッションの範囲には含まれません。

Qオンラインでも受けられますか?

はい、オンライン(Zoom等)・対面のどちらにも対応しています。ご都合に合わせてお選びください。

Q初回無料相談との違いは何ですか?

初回無料相談は、現状の確認と相談の方向づけを行う入口の相談です(30〜45分)。発明発掘セッションは、そこから一歩進んで技術内容を深掘りし、発明の本質の明確化と出願方針の決定まで進む有料セッションです。

参考資料

  1. 特許庁「初めてだったらここを読む~特許出願のいろは~」
  2. 特許庁「特許・実用新案とは」
  3. 特許庁「特許・実用新案 審査基準」
  4. 特許庁「お問合せ先一覧」

執筆・文責

弁理士 中村幸雄

AIサービス、ソフトウェア、業務フロー、試作・現場改善に関する発明発掘・特許相談を扱う弁理士。 「発明の余白」では、まだ曖昧な技術構想や現場の工夫から、発明のポイントを見つけるための情報を発信しています。